「Life is a series of choices.」–人生とは選択の連続である–
【佐川大樹インタビュー】

2次元の漫画・アニメ・ゲームを原作とする3次元の舞台コンテン通称2.5次元ミュージカルに多数出演する俳優、佐川大樹。大きな舞台を控えている最中、快くSATAのロングインタビューを受けてくれた。「選択に選択を重ねた半生だった」と語る彼の人生を、SATAオリジナル『佐川大樹 人生グラフ』を使って、紐解いていく。佐川さんのいままでの俳優人生と将来のビジョンをご自身の主観で、GoodからBadまで波線グラフにして頂いた。 

佐川大樹 インタビュー 佐川大樹 インタビュー

––描いて頂いた人生グラフを元にお話を聞かせてください。

きっかけは15歳の時、なんとなく芸能界に入りたい、父親の実家の福島で全国横断型のオーディションを受けたのが始まりだった。芸能界を目指していた姉と一緒に受けたけど、俺だけ受かってしまい、学校と事務所を行き来し、長期休みの度にはお芝居と歌の合宿に行くという、ハードなスケジュールで肉体的にも精神的にも大変な時期だった。

佐川大樹 インタビュー

––グラフを見るとだんだんと降下してしまっていますが、事務所退所後、何があったのですか。

事務所を退所したはいいものの、しばらく何をしたらいいのかわからなくなってしまった。当時、自分がやりたいことと周りから求められていることへのギャップを感じていた。もう芸能ではない、全く別の安定した仕事をして、母親に迷惑をかけないようにしたほうがいいかもしれない、そのような考えが頭をよぎった。母親にその旨を伝えると、「芸能の道を諦めてしまっていいのか」と逆に怒られてしまい、「まだ諦めるには早い、全力でやってみて、それでだめだったらそれまで。」そう、自分自身を奮い立たせ、また再び活動を始めた。 

佐川大樹 インタビュー

––「役者」として大事にしたことはありますか。

『引き寄せの法則』という有名な法則をすごく意識した。人生って、強く思い描けば描くほど、自分の思い通りになりやすい。もちろん、努力も必要だけど、その努力を支えるために夢を具体的にイメージすることが成功するための第一歩だと思う。だから俺は目標を大きく紙に書いて、成功を引き寄せた。今後もたくさんの成功を引き寄せて、人として成功していきたい。だから皆も是非、騙されたと思ってその法則を使ってみてほしい。

––2・5次元ミュージカルは絶対的な原作のキャラクターがいる前提で芝居が求められると思いますが、その点に関してどう考えていますか。

色々なやり方があると思うが自分の考え方では、確かに2・5次元ミュージカルはどのような時もキャラクターでいなければいけない。キャラクターと違うことをすると作品の世界観を壊しかねないから出しにくい。でも自分がそのキャラクター役として選ばれた理由が絶対にあるから、自分を完全に消す必要は無いと思う。そのキャラクターにリンクする部分や自分と溢れ出ている何かが重なっているから、役に選ばれて、芝居が求められると考えている。

佐川大樹 インタビュー

––芝居のプロである佐川さんにとって、プロとして大切にしていることはなんですか。

常にアンテナを張っていること。仕事をしている時はもちろん、どんな状態であっても意識的にアンテナを張れるのがプロ。あとはネガティブな気持ちになってしまう時に、自分を叱ってくれる人の存在。誰もが若い頃、根拠のない「なんとかなる、きっと成功する」っていう、謎の自信を持っていると思う。自分自身に対しての希望や願望は持つべきだけど、成功するためには、裏付け出来る努力がないといけない。自分のやってきたこと、積んできたことがあるから、「なんとかなる」と言えるのだと、若い俺には分からなかった。でもそれをしっかり叱ってくれて、気づかせてくれたから、今の自分がある。プロになった今でもそういう存在はすごく大切だ。だから、そういう存在がいる人は気づいて欲しい。 

佐川大樹 インタビュー

––最後に学生に向けてメッセージをお願いします。

学生時代、いろいろ考える事はあると思うけど、役者や歌手、芸能界でやっていくなら、早く動き始めることに越したことはない。でも実際、年齢なんてものは微々たる差であって、30歳で役者を初めて、成功する人だって全然いる。年齢や時期を理由にして、諦める事は全くない。もちろん商業的なもので、自分の理想と、待っている現実にギャップはあると思うけど、今少しでも志があるなら、挑戦するべきだ。挑戦しなかったことに後悔するだろうし、後悔した人生こそ後悔する。挑戦し続けて、最後にぶれない目標を見つけられるか。これは芸能界以外でも言えると思う。君たちの人生はまだ、始まったばかり。自分がやりたいことを一生懸命やってみて、ダメだったら、違うことをやってみる、それぐらいのフラットさで行けばいいと思う。全ては自分。結局は自分次第だ!

––貴重なお話ありがとうございました。

記事・木村彩華 写真・松丸洋大

佐川大樹 インタビュー

佐川大樹(さがわ だいき)1991年12月18日、岩手県生まれ。話題の2.5次元作品ミュージカル舞台をはじめ、ストレートの舞台にも多数出演。また映像など、様々な分野で活躍中の俳優。

〈代表作〉

ミュージカル・テニスの王子様3rdシーズン- 野村拓也 役

初恋モンスター- 金子十六 役

カードファイト!!ヴァンガード~バーチャル・ステージ~リンクジョーカー編 – 石田ナオキ 役

アイ★チュウ ザ・ステージ- I♡B ノア 役

ヤキソバチルドレン 原案・音楽プロデュース・主演-大吾役