SATA Personal activity file1〜BranCo![Brand Design Contest]で学ぶ思考法〜

渋谷 スクランブル交差点

SATAのサイトを立ち上げるにあたって、企画・アイデアをどう具体化していくべきなのかを学ぶために、4月中旬から約一ヶ月半、SATAのメンバーの4年山羽真梨那と2年木村彩華、そして早稲田大学大学院理系の2年Mさんの三人で『BranCo!』に参加した。『BranCo!』とは博報堂が主催する、“大学生のためのブランド・イノベーションデザインコンテスト”である。大学生・大学院生 3名1組のチームで課題テーマを1つ選択し、「Google アシスタント」を活用した新しいサービスのアイデアを考えていく。実際のサービス開発を見越したイノベーションのチカラが私たち大学生に問われた。

テーマ:Digital Wellbeing 「デジタルで実現する、人々の新しい幸せ」

個別テーマA:SUNTORY 「これからの時代のお酒文化」

個別テーマB:すかいらーくグループ 「心も満たされる食体験」 

個別テーマC:東急電鉄 「もっと人々を刺激する、SHIBUYA LIFEの愉しみ方」 

私たちは個別テーマC、東急電鉄さんの「もっと人々を刺激する、SHIBUYA LIFEの愉しみ方」をDigital Wellbeingという視点から切り込んだ。まずこのような課題に取り組む際、大前提として『input』『concept』『output』この3つの流れに沿って思考を進めるのが定石だ。そして一番大きく比重を置かなければならないのはinputである。この調査する項目・要素が多様であるほど、conceptに説得力と納得感が増し、outputで具体化した時に一貫性が出るのだ。

inputの画像

また毎回の打ち合わせで出てくる沢山のアイデアや仮説を視覚的に三人で共有するために、このように付箋で簡単に記録する。話し合いが行き詰まった際、これを見返すことで頭の整理をつけることが出来る。

メモの画像

では思考法について説明をしていこう。

○『input』 テーマに対しての私たちのinput軸は大きく3つ。

・Googleアシスタントについて

・Digital Wellbeingについて

・渋谷について 

これらを約1ヶ月半の期間を経て調査を行った。正直、inputに使った時間がほぼ大半を占めたと言っても過言では無い。兎に角、しっかりとしたconceptを決めるために、たくさんのinputがなければ話にならない。また、手探り状態でも良いから、inputを重ねることで新しい発見が見つけられるかもしれないと考えた。詳しいinput内容はこちら。

調査表

このようにinputを重ねて行き、仮説とそれに基づくconceptを何度も練り直していく。まだこの段階では、考えを固めてはいけない。input調査一覧を見ていただければ分かるように、何度も試行錯誤して、様々な切り口から調査を行っていることが伺える。

○『concept 』

ここで大切なことは、二つ。端的で分かりやすい且つ、キャッチーであること。大量のinputと、実用を考慮した細かいoutputを繋げる役目となるconceptは、頭にすっと入ってくるようなものが求められる。しかし、キャッチーという点に重点を置きすぎると、一貫性の無い飛躍したプレゼンになってしまうから要注意だ。 私たちは3、4回ほどconceptを変え、試行錯誤した。かなり遅くなってしまったが、博報堂にプレゼン資料を提出する2日前に納得できるconceptを叩き出すことができた。

○『output』 

上記でも述べた通り、今回のoutputは実際のサービス展開を見越したものでなければならない。つまり突飛な内容はまず通らない。しかし、それを意識し過ぎた故に、outputが小さく収まった面白みの無いものになってしまうことや、渋谷でそのサービスを使う固有性が感じられなくなったり、勿体ないことになってしまう。

そして、私たちの今回の大きな反省点はここである。渋谷での固有性を重視し過ぎたあまり、正直言ってあまり面白みのないものとなってしまった。しかし、(詳しいoutputの内容は割愛するが)今回集めたinputから考えられる最良のoutputであったと言えるだろう。やはり、inputをどれだけ集められるかがカギとなるのだ。 

さて、『input』『concept』『output』この3つの段階について書き連ねたが、これらをしっかり踏まえた上で、斬新で現実味のあるアイデアを出すのは非常に難しい。仲間と「ああでもない、こうでもない」と何度も議論を重ねて、お互いの意見を受け入れ、自身のアイデアを乗せ合っていく。今まで私たちは『input』『concept』『output』を順序立ててアイデアを練っていくことを意識せずに、プレゼンを行っていた。しかし、この1ヶ月半、思考のノウハウを学び、右脳と左脳を使って考え続けて来たことは私たちにとって、大きな財産になったと言えるだろう。BranCo!だけに限らず、どのようなプレゼンであっても、この思考法を用いることで、一貫性のある内容となるのは間違いない。大学生・大学院生にこのような学びの機会があるのは、とても貴重で有難いことだ。是非、次回開催にも参加したい。

記事 木村彩華